重心移動ベクトル化 競泳理論 (2)

〜 速く泳ぐ方法 〜

2010.08.01

  

 

■ 本質を捉えれば世の中が単純に見える

世の中は、非常に単純に出来ている。

単純な事が絡み合っているから、複雑に見えるだけだ。

 

この辺りの学問は、カオス理論が最も有名だ。

※※ 備考 ※※
カオス理論とは複雑系の科学で、カオスは混沌という意味。

カオス理論が登場して数十年しかたっていないが、実際は発祥の古い宗教でも同じ事を言っている。

 

例えば、仏教でも

『この世とは?』

の問いに答えが出ていて、

一切皆空(いっさい、かいくう)

 

簡単に意訳すれば、『この世は皆、あると思えばあるし、ないと思えばない』と、非常に単純化された所に答えを出している。

私は既成の宗教を強く否定し、馬鹿にしているが、こういった物事の捉え方は、支持している。
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■ どうすれば速く泳げるか?

『どうすれば速く泳げるか?』

 

 

『中心1軸S字ストロークが良い。入水した手と反対の足を、クロスキックで打ち込む。』

『そんなのはもう古い。今は2軸のI字ストローク(ストレートストローク)だ!入水した手と同じ方の足を、キックして打ち込むんだ!』

などと、時代とともに新しいテクニックが登場し、競泳理論が変化する。

 

体の複雑な動きに視点を奪われるから、話が複雑になって分からなくなる。

 

物事の表面から根本を掘り下げるのではなく、根本の上に理論を組み立てろ!

 

次、同じ質問。

『どうやったら速く泳げますか?』

 

 

この絵を見せられて、こう聞かれれば、小学生でも、こうするに決まっている。

 

 

実際には、こうなる。

 

 

当たり前だが、まっすぐ動かすのが一番速いに決まっている。

まっすぐ動かした奴が速い。

これは、今も、昔も、未来も、永久に変わらない。

 

S字ストロークや、I字ストロークというテクニックは(今と昔では)、

『速く泳ぐ方法の実現のさせ方(泳ぎ方)』

が違っているに過ぎない。

 

重心がブレながら泳いでいれば、最新のI字ストロークを、見かけ上、使って泳いでも遅い。

 

 

『え〜〜、実際には完全に上下動しない奴はいないしさ、手を掻いた時はスピードが出るし、平泳ぎなら足を引きつけた時は、遅くなるじゃん!適当な理論だな!』

と、いつまでも反抗期の少年みたいな視点から世の中を見るから、自分が世の中を逆さまに見ている事に気付けない。

 

逆だ。

 

『よりまっすぐ動かせるようになった奴が、速い選手になって、高いレベルで戦っている』のだ。

 

それが持って生まれ持ったセンス(感覚)から作り出された動作なのか、

理屈からイメージを作って、組み立てた動作なのかの違いがあるだけで、

高いレベルで戦っている選手ほど、重心をまっすぐ移動させて泳いでいる。

 

『まっすぐ動かせない理由』をこねるのではなく、

『どうすれば、自分の体を使って、重心(丹田)をまっすぐ動かせるのか?』

を考えるのだ。

 

競泳は、重心が移動する速度を競っている。