ひと掻き ひと蹴り (7) 〜 膝曲げと方向転換 〜 2010.07.01 |
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■ 膝の曲げ方
(分かりやすくするために、オーバーに表現)
@ 上半身の突っ込み後、膝を曲げる ドルフィンキック動作に入る前に、上半身を進入角度よりもさらに少しだけ下に落す感じで、突っ込む。 進入角度がズレた事で、背中側に水流空間が出来て、そのスペースを利用して、(自然に)膝を軽く曲げる事が出来る。 言葉にするのは難しいのだが、背中側に出来た空間部分の水流の関係で減圧状態になる感じで、膝を曲げた時にふくらはぎにぶつかる水の抵抗が軽減し、膝曲げによる減速は最小限に抑えられる。
A 方向転換しつつ、ドルフィンキックの打ち込み込み 体の進行方向を前方に向けた事で(膝から上の部分の方向を変える事で)、自然に膝が曲がって、ドルフィンキックに必要な膝曲げ角度が確保される。 膝曲げ角度の確保と同時に、膝を打ち込む。
この膝を曲げる手順を見れば、第2章で話した、 『スタートよりも、ターンの時のひと掻きひと蹴りの方が簡単』 という話が理解できたと思う。 水平ストリームライン姿勢からのドルフィンよりも、傾いたストリームライン姿勢からのドルフィンの方が、より簡単に『抵抗の少ない膝曲げ』を実現できる。
■ 矛盾する説明はない ??、『膝を曲げる意識は、必要ない』と言っておきながら・・・・
と、矛盾しているように思うかもしれないが、意識と感覚の微妙な世界を、無理に言葉にしているので、言葉の世界では矛盾が生じる。 しかし、実際の感覚では矛盾はないので、言葉の矛盾を追及せずに、自分でうまく出来るようになって、感覚で理解して欲しい。
また、前章で示したこの図
とも矛盾しているように思うかもしれないが、矛盾していない。 こちらの図は、自分の体の中から捉えた感覚(ドルフィンキックの動作感覚)を図にしていて、体の中から捉えたドルフィンキックの感覚は、ストリームライン姿勢が傾いていても同じで、膝をドンと蹴り込む意識だ。
このページの一番上の図は、外側から見た映像を図示したもので、 『ふくらはぎに水が当たって失速しないように膝を曲げるには、傾いた姿勢から方向転換をする事を利用すれば、都合がよい』 という事を理解し、イメージしやすくするための図であり、『感覚と目』という切り口が違うだけで、矛盾はない。
■ 実際の動作感覚 この動作の動作時間は、おそらく0.7〜0.8秒程度の短い時間で、
『んーーー(@)、ドン(A)』 @の『上半身を突っ込む』『膝が曲がる』が、微妙に同時。
という感覚世界だ。
従って、『膝を曲げる』という意識は非常に小さい。 また、『少し上半身を落す(突っ込む)』という動作も、自分の意識の中だけに存在している微妙なもで、おそらくこの動作を映像として見て取る事はできないのではないかと思う。
実は、この『ドルフィンキック動作を開始する前に、少しだけ潜る』というコツは、私が発見したものではない。 第一章で私との比較対象にした梶田君に教わったコツだ。 (梶田君は、器用な選手には珍しいタイプの選手で、運動神経が良いだけでなく、相手が苦手としているポイントを読み取って、そこを押さえた説明をする才能までをも持ち合わせている)
第5章で紹介した『ブレストキック式 挟み込み擬似ドルフィンキック』を使って、ひと掻きひと蹴りがうまく行くようになった事を、私が自慢げに話していた時に、梶田君からアドバイスをもらったコツで(2010年3月末)、 このコツを私自身が自分の頭で思考し直して、実際に試すなどした結果、前章で紹介した『膝で蹴る』というドルフィン感覚を見つける事に繋がったコツだ。
私の理屈を理解するのではなく、『他人から教わった事』を『自分の頭の中に持つイメージ』に繋げていく事が大切だ。
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