理想ペース配分理論 (1)

〜 序論 〜

高橋 大和
2009.12.10

  

 

■ 今までのペース配分手法

ペース配分 = ラップタイム

今まで、『ペース配分』と言えば、ほとんどの場合『ラップタイム』を基準に考えていた。

時間の配分を調整する事で、力の配分を調整しようという戦略だ。

選手の誰もが利用する『数値データー』と言えば、『ゴールタイム』と『ラップタイム』くらいしか利用されていない事からしても、いかにラップタイムが重要視されて来たか分かる。

 

もちろん、このラップタイムによる力の配分方法は、非常に有用な方法であり、選手にとってラップタイムは貴重な情報源であるのは、間違いない。

しかし、調子が悪い時には、ラップタイムだけを頼りにペース配分を組み立てると、まず間違いなく、大きく失敗する。

 

なぜなら、調子が悪い時の選手は、

『前半くらい、ベストの時のラップと同等で刻まないと、良いタイム(勝てるタイム)は出ない。負ける』

と考え、不調時のラップとしては、オーバーペースでラップを刻んでいってしまい、ラストに大きく失速してしまうからだ。

 

もし、『時間(ラップタイム)という基準』以外の要素も考慮して、ペース配分を考える事が出来れば、不調時であってもベターなペース配分でレースを組み立てる事が出来るようになる。

 

そこで、私が提唱するのが、ストローク数によるペース配分だ。

ゴールタイムから理想のストローク数を割り出して、ペース配分を決めようという作戦だ。

(もちろん、ストローク数は、ラップタイムという主情報と合わせて考える二次的な情報でしかない。ラップタイム不要論を唱えようという分けではない。)

 

■ 理論の活用法概略

『今の自分の力量において、このペース配分は妥当なのか?前半は、もっと速い方がいいのか?それとも、もっと遅い方がいいのか?』

という疑問に、今までは、

『レースの時の苦しさ具合の感覚』

を思い出して、苦しかったかどうかといった『感覚』に頼って判断していた。

 

しかし、この理想ストローク数理論を元に考えれば、自分のビデオ映像さえあれば(自分のストローク数さえ分かれば)、

『自分のペース配分がベターなのか』

を、客観的な視点で、かつ、自分でチェックする事が出来る。

 

また、

『未来の成長計画』
『技術を磨いてもっと速く泳げるようになった時の事をイメージできる事で、向かうべき方向性を洗い出しやすくする』

という事に利用できるし、不調時の無謀なオーバーペース配分を避ける事も出来る。