初心者の平泳ぎ練習 (3) 〜 プル動作 〜 2009.11.20 |
||||
ここまで出来るようになれば、平泳ぎはもう出来るようになっている。
平泳ぎの場合、プル動作自体はほとんど推進力を生まないので、キックに合わせて適当に動かせばそれで十分だ。 ※※ 備考 ※※ しかも、プルの『3割』というのも、プルとキックのタイミングが合った時に、体全体の動きとして3割出るだけだ。 例えば、競泳トップ選手であっても、完全に足を止めた状態(足の親指と親指を完全にくっつけた状態)でプルを行っても、ほとんど前に進まない。 プル練習で前に進むのは、膝を曲げてドルフィンキックを使って、プルと下半身の動きのタイミングを合わせているから進んでいるに過ぎない。
平泳ぎのプル動作で大切な事は、 『キックの推進力を邪魔しないように、手を動かす(呼吸をする)』 事だ。
平泳ぎの場合、『手で掻いて、進もう』なんて余計な事はしない方が速く泳げる。
平泳ぎのプル動作は、肘を緩ませた状態で、『横に開いて、閉じる』だけでよい。
なぜなら、前章までに説明した平泳ぎのキックは、 『引き付けて、蹴り出す』の2テンポ で動作している。このキックの2テンポにタイミングを合わせるために、プル動作も、 『開いて、閉じる』の2テンポ で動作させれば良いからだ。
初心者が当初考えていた平泳ぎは、 『プル動作は、開いて、胸の下に手を掻き込んで、前に戻すの3テンポ』 の『プル3テンポ、キック3テンポ』のリズムであった事だろう。
しかし、『キックは回す』という事をやっているから、あおり足になっていたのを修正し、2テンポキックに改良したのだから、プルも2テンポに修正できるなら、した方が良い。
ただし、もし、プルの改良にまで気を回す余裕がないのなら、プルは気にする必要はない。 平泳ぎのプルなんて、適当にやっていれば、それで良い。
『プルは3テンポで、キックは2テンポ』では、タイミングがズレ、水の抵抗が大きくなって失速しやすくはなるが、初心者は失速が気になるほどのスピードが、そもそも出せない。 初心者の平泳ぎにとっては、キックの推進力を重視する事が何より大事である。
確かに、平泳ぎで速く泳ぐには、『手と足のタイミングを取る』事が非常に重要ではあるが、その『タイミングのズレ』には、トップ選手であっても悩まされる難しい問題だ。 トップ選手が悩むような難しい問題で、初心者が悩む必要はない。
プル動作をどうやれば良いか分からない時は、好きなように適当にやっていれば良い。 意識を向けて、気を使う必要があるのは、キックの方だ。
以上で、初心者の平泳ぎは完成だ。
|
||||
|
||||