プールへ行こう! (9)

〜 泳ぐ事の利点 〜

2010.05.31

  

 

■ 泳げば肩こりにならない

プールで歩いたり、アクアビクス(水中エアロビクス)をするだけで、泳ぐ気がない人は結構多いと思う。

しかし、水泳選手の私からすると、せっかくプールで運動をするのなら、出来れば泳いでもらいたい。

 

特に、水中を歩くだけでは、

『陸上を歩くのと違って、風景も変わらず、単調すぎて、長続きしない』

という難点がある。

 

運動を始めた当初は、やる気は大きいので、大股で歩いたり、体を捻って歩いたりするが、単調動作の割りには、疲労だけが大きく、結局すぐに、投げ出してしまう。

(もちろん、長続きする人もいるし、陸上運動をした後のクールダウンに来ている人もいるし、怪我のリハビリでプールに来ていて、泳ぐ事など出来ない人もいて、そういった人は、別だ)

 

その点、泳ぐ場合は、

『水中は擬似無重力状態で、気持ちが良い』

という事もあって、かなりの運動量に見合った、それなりの刺激がある。

 

また、泳いでいると、肩こりや四十肩になり難いという大きなメリットもある。

 

四十肩のような肩の故障は、

『子供のように遊び回らない大人の日常動作では、腕が肩より上にほとんど行かず、肩を動かさないせいで、肩が痛くなる』

という要因が大きい。

 

その点、水泳は手をグルグル回して泳ぐ上に、頭の上に手を置く方が基本で、手を下げる方が一瞬の動作だ。

 

もちろん、陸上でも頭の上に手を上げる訓練は出来るが、陸上の場合、手を上に上げていると、重力のせいで血が下がって、辛い。

 

泳ぐ場合は、『手を頭の上に上げている』とか『下げている』といった意識すらなく、単に『泳いでいる』という漠然とした意識しかないため、

『頭の上に手を上げないと、四十肩になっちゃう』

なんてプレッシャーを感じる事なく、肩こりや四十肩を、無意識で予防してくれる。

(私の仕事はSEであるため、一日中パソコンに向かって座る生活を10年以上続けているが、肩こりなんて、ぜんぜんならない)

 

もちろん、競泳選手にも、肩の故障は、それなりに多い。

ただ、それは、『肩はその繊細な構造上、痛めやすいにも関わらず、ハードに泳ぎ込むから』だ。

 

 

肩は、動かし過ぎてもすぐ故障するし、繊細なだけに、逆に動かさなさ過ぎても故障する。

 

『競泳選手は、野球のピッチャーよりも圧倒的に多く肩を回すのに、競泳選手が肩を痛めるリスクは、野球のピッチャーと同等か、それ以下』

である事から分かるように、『泳ごうか、どうしようか』と迷うようなレベルの人が、泳いで肩を痛めるリスクは、限りなく小さい。

 

 

『泳げないから・・・』という理由で泳ぎたくない気持ちは分かる。

しかし、『歩くよりも、泳ぐ方が楽』な競泳選手は、効率良く泳げるせいで、泳いでもぜんぜん痩せない。

泳げない人ほど、泳ぎに無駄な動作が多く、結果的に痩せやすいという利点があるので、泳げない人も、是非、泳いでみて欲しい。

(泳げない人が、泳げるようになる手順は、こちらで解説