プールへ行こう! (8)

〜 タオル 〜

2010.05.31

  

 

■ セームとは

『競泳選手で使っていない選手は、一人もいない』と言えるほどメジャーなタオルが、このセームだ。

(『セイム』と呼ぶ人もいるが、どうせ和製発音なので、どっちでも良い)

 

 

『セーム』という言葉の語源は、おそらく、『カモシカの革』のセームの事だと思われるが、プールで使うこのセームの材質はスポンジ状で、水をよく吸い取り、絞れば何度でも使える。

 

水泳用のセームの中にも『カモシカの革』っぽい材質で出来たタイプもあるが、こちらの使い勝手は良くないので、お勧めできない。

車のようなツルツルした金属面を吹き上げるのには、『カモシカの皮』っぽい材質の方が良いのかもしれないが、人間の体のように柔肌では引っかかって、うまく拭きあげられない。

 

 

セームは元々、洗車した車の水を拭きあげる時に使っていたものが、水泳用として販売されたものと思われるが、私が小学生6年生頃に競泳界に登場し、選手の間であっという間に普及したほど、使い勝手の良いタオルだ。

 

選手にとっては万能タオルで、

競泳水着でプールサイドに座る時は、水着がやぶれないようにお尻に引いたり、

銭湯に行く時も、これ一枚持って行くだけなど、

ある意味、選手にとっては水着以上に利便性の高い、必須アイテムだ。

 

バスタオルでは、塗れたプールサイドに落してしまったり、シャワーを浴びる時に置き場所に困る事になるが、セームなら絞れば済むし、その場でジャブジャブ洗って、すぐ使う事も出来る。

 

 

■ セームの使い方

セームは、バスタオルの要領で体を拭こうとすると、あまり水を吸わず、うまく拭きあがらない。

 

セームは、広げた状態で、体にパタンパタンと当てるようにすると、効率良く体が拭ける。

銭湯で、おやじが手ぬぐいで体をパチパチとたたいて、体を拭く要領だ。

 

セームの構造がスポンジ状であるため、擦るようにして体に当てると、スポンジ内の水が押し出されて逆流して来るため、肌をナデるように拭きあげるか、パタパタと上から押さえる要領の方が、効率良く水を吸い取れる。

 

 

■ サイズ

セームのサイズには、

『普通サイズ(A3くらいの大きさ)』と、『その2倍サイズ』

の2種類があるが、普通サイズの方が絶対に良い。

 

広げて使うセームの使い方からして、両腕いっぱに大きく広げて使うのは使い難く、しかも、大きいサイズは絞る時に大きすぎて、男の手でも絞り難い。

大きいサイズのセームは、まったく使えないので、安く投げ売りされていても、買わない方が良い。

うっかり買ってしまったら、ハサミで半分にチョキチョキして使う。

 

 

■ セームの保管

セームは、乾かさないで、そのまま次の日も使う。

乾かしてしまうと、バリバリになってかさばる上に、乾いた状態のセームは、水をなかなか吸わないためだ。

 

濡れたまま長期間放置しておくとカビてしまうため、長期間使わない時だけ、パリパリに乾かして、格納しておく。

もちろん、パリパリに乾いたセームは、水に浸ければ、また元の状態に戻るので、使えなくなる心配はない。

 

セームも洗濯や天日干しはあまりしないが、たまには洗濯や天日干しするのも悪くはない。

ただ、セームがスポンジ状であるため、洗濯してもセームの生地内の水の移動が起き難いため、洗濯機でグルグルやっても、あまりきれいにはならない。

 

手洗いの方がきれいになるが、セームがスポンジ状であるせいで、セーム内に入り込んだ洗剤がなかなか落ちず、しかも洗剤の付いたセームはヌルヌルして掴み難く、結構手が疲れる。

 

選手は、そんなめんどうな事をしたくはないので、セームは洗わない事が多い。