プールへ行こう! (6)

〜 キャップ選び 〜

2010.05.31

  

 

■ キャップの種類

キャップには、材質の違いで、メッシュタイプと、シリコンタイプの2種類がある。

それぞれ、利点と欠点があるが、『髪が痛み難い』という理由で、女性はシリコンキャップが良いと思う。

 

 

   メッシュ

シリコン

 



【利点】
・涼しい
・かぶりやすい
・丈夫

【利点】
・メッシュキャップより、髪が痛み難い



【欠点】
・塩素で髪が痛む
【欠点】
・頭が暑い
・かぶり難い
・破れやすい

 

メッシュキャップは日本独特のキャップだが、日本の競泳選手の場合、練習中はメッシュキャップをかぶる選手が多い。

脱着しやすい事もあるが、選手の場合、ハードな練習中にシリコンキャップをかぶると、頭が暑くてたまらないのが、メッシュキャップを採用する一番の理由だ。

 

ただ、メッシュキャップとシリコンキャップでは、髪の痛み具合がまったく違う。

メッシュキャップは、当然、頭皮まで、水がジャブジャブするため、塩素で髪が痛む。

塩素の強さや、プールに入る時間にもよるが、クシが通らないほど、髪がキシキシになる。

 

※※ 備考 ※※
フィットネス用に、メッシュキャップとシリコンキャップの中間のようなキャップもある。

形はメッシュキャップで、材質がビニールのようになっていて、かぶりやすく、キャップ内に水が浸透しにくいと思われる。

ただ、私は被った事がないので、『良いとこ取り』なのか、『悪いとこ取り』なのか、よく分からない。
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■ キャップのサイズ

メッシュキャップは、M/L程度の2種類、サイズがあるが、柄は男女差はなく、性別を気にする必要はない。

たぶん、髪の長い女性は、髪を縛ったダンゴを入れる必要があるので、Lなのかもしれないが、私は男で、しかもシリコンキャップしか使わないので、良く分からない。

 

シリコンキャップの方は、フリーサイズの1サイズだ。

1サイズである事から分かるように、シリコンキャップは良く伸びる。

(シリコンキャップでも、レース用のキャップは特殊なので、ちょっと別。下の『備考』を参照)

 

 

■ キャップのかぶり方

キャップは、耳は入れずに、しっかりかぶる。

 

初心者の女性の場合、陸上でかぶる帽子のように、水泳キャップをちょこんと被って、前髪や横髪を出している人もいるが、スイマーから見ると、その中途半端な恥じらいが、かなりイケテない。

 

どれくらいイケテないかというと、

『昭和のアイドルが、頭の上に、帽子をななめに、ちょこんと乗せてる』

くらいダサい。

 

特にシリコンキャップの場合、キャップのゴムが頭の天辺にボコボコ余って、頭の上に空気の抜けたゴムボールが乗かっているみたいで、美的におかしい。

キャップがあまりシワにならないように、しっかり被る方が、かっこいい。

 

もちろん、『プールに髪が流れ出ないように』という機能的な意味でも、キャップから髪を出すのは、マナー違反だ。

 

『髪をキャップ内に入れると、顔が丸く見えて、恥ずかしい』

という気持ちは分かるが、

『裸で暮らしている人種の人も、日本に来ると、裸は恥ずかしい』

のと同様に、プールでは、髪の毛をキャップ内に入れた顔の方が普通で、おかしくない。

 

選手の美的センスが偉いわけではないが、前髪もしっかりキャップ内に入れる方が、かっこいい。

 

また、『耳を出す』のは、『キャップ内に耳を入れると、キャップに締め付けられて、耳の付け根が痛くなる』ためだ。

選手がシリコンキャップでレースをする場合、水の抵抗を気にして、耳は、キャップ内に完全に入れてしまうか、耳の上の部分だけをキャップ内に入れるが、練習中は不便なので、耳を出す。

 

レース中のマイケル・フェルプス選手

 

 

■ キャップの前後

前(後) ⇔ 後(前)

 

キャップの前後は微妙に分かり難いのだが、『絵柄が横に来る』ように被れば、まず間違いない。

シリコンキャップの場合、どちらが前でも後ろでも、かまわないが、折り目が眉間から後頭部に向かうように被る。

 

絵柄が前後方向に向くように被ると(シリコンキャップの折り目が、右耳から左耳に向かう方向に被ると)、ミュージカルのライオンキングか、赤ちゃんのベビーハットみたいになってしまって、かなり恥ずかしいので、ご注意を。

 

メッシュキャップの場合は、シリコンキャップと違って前後の違いもあって、『V字の縫い目』が前だ。

(多くの場合、後頭部側の内側に、タグが付いていて、それでも判別できる)

 

V字の縫い目が前

 

 

■ シリコンキャップのかぶり方

シリコンキャップには被るコツがあって、キャップのすそを1cm〜2cm程度、内側に折り曲げて被る。

 

【0】
髪の長い女性は、後頭部で髪をまとめて、オダンゴにしておく。

選手がレース時にするように、メッシュキャップを先に被っておいて、その上にシリコンキャップを被っても良い(めんどくさいけど)。

 

【1】
キャップのすそを内側に折り曲げつつ、親指と人差し指を差し込む。

指を入れる方向は、親指がお腹側で、人差し指が外側だ。

 

【2】
お辞儀をするような感じで、キャップに頭を突っ込む。

その時、最初にキャップの先端をおでこに引っ掛け、そこをテコにして、後頭部側に引っ張りながら被る。

 

【3】
キャップ内の指を、親指、人差し指の順に抜いて、キャップの位置を微調整し、完成。

 

といった具合だ。

 

最初は慣れが必要だと思うが、特別難しくないので、すぐにできるようになる。

 

※※ 備考 ※※
シリコンキャップを折り曲げないで被ると、シリコンゴムが、頭の天辺に余るか、耳を完全に覆ってズボ〜っと深く被らないといけなくなって、かっこ悪いし、キャップがユルユルで、非機能的。

ただし、レース用のシリコンキャップ(SPEEDO社のVキャップなど。写真参考)は、『キャップのシワによる水の抵抗』を抑えるために、頭の形に合うように丸型でカッティング(立体成型)されているので、このタイプのキャップは、折り曲げない(そもそも、ゴムが硬くて折り曲げにくい)。

SPEEDO社のVキャップ

このレース用のキャップは、『メーカーのマークが前』で、これは競泳競技のルールに絵柄の大きさや商標に細かい規制があり、マークが1つに制限されているためだ。

オリンピックなどでは、左右の両サイドに国旗や選手自身の名前が入るが、国旗などは商標規制にはひっかからないので、左右両サイドに絵柄がある。

 

このタイプのキャップを練習中に被ってもおかしくはないが、ゴムが硬かったり、頭の締め付けがきついため、長い時間被る必要がある練習には向かない。

いろいろ種類があって難しいと思うかもしれないが、Vキャップは形が立体的で、キャップの形を意識して見れば、見た目で違いが判断できる。
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