重心移動ベクトル化運動理論 (9)

〜 まとめ 〜

高橋大和
2008.06.01

  

 

重心移動ベクトル化運動理論は、

「自分の感覚」

を使って

「重心をまっすぐ移動させる」

事を選手自身が体の内側から考え、体を動かしていくという部分が、世間一般に乱立する他の理論との大きな違いであり、選手にとって一番の利点となるものである。

 

本来、「言葉にする事」「理論にする事」が難しい、「選手個々人が持っている感覚」を理論に取り入れ

「理屈と感覚のマッチングと、その両者のバランスを取った理論」

である所が、重心移動ベクトル化運動理論の最大の売りである。

 

「重心をまっすぐ動かせるのなら、手足の細かい動かし方は個々人の感覚に任せる」

事で、選手自身自らが考え、そして、自分の感覚にマッチしたフォームへと組み立てて行く事が可能になる理論なのである。

 

理屈だけで捉えた理論では、時代の流行で理論が変化し、どのフォームが理想のフォームなのか選手はわからなくなってしまう。

また、理想とされるフォームと自分の感覚とのズレに苦しみ、自分らしい泳ぎ、自分らしい走り、自分らしいフォーム、が分からなくなり、スランプへと突入してしまう。

 

重心移動ベクトル化運動理論は、そんな選手たちの救いとなる事であろう。

少なくとも、私自身が実践、検証して、自分の泳ぎを立て直し、良い結果を出しているのは本当だ。

 

ベテラン選手ほど忘れがちな、「自分の感覚」を呼び戻し、呼び戻した自分の感覚を信じて、自分の適したフォームを組み立てる事に、重心移動ベクトル化運動理論を役立てて欲しい。

 

ここでは、「走り」に注目し、理論の説明を行ってきたが、重心移動ベクトル化運動理論を私の専門競技である競泳に展開した説明は、改めて別項で行う。