平泳ぎ (1) 〜 21世紀版平泳ぎの見た目の特徴 〜
2008.10.01 |
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泳ぎのテクニックは21世紀に入り、『それまでの常識とは真逆』と言えるほど大きく変わった。 『平泳ぎの見た目』で違う所は、上下動する位置の違いだ。
『旧式の平泳ぎが腰』の所から上半身を上下動させていたのに対し、『21世紀版の平泳ぎはミゾオチ』の所で上下動させている。
2008年北京五輪100M平泳ぎ決勝
奥側が北島康介選手の呼吸の瞬間で、『ミゾオチ ー 骨盤 ー 膝』が一直線上にあり、呼吸の時にはまだ、足の引き付け動作も開始されていない。
これが、一昔前の泳ぎだと、こうだ。
パット見て分かるように、明らかに下半身が落ちている。 腰の所で上半身を上下させているから腰が落ち、腰が落ちるから足の引き付け動作も開始せざるを得なくなって、膝も曲がっている。
これが、スピードを大きく失速させている原因だ。
この違いは、『泳ぐ時の基本姿勢の違い』から来ていて、現在の泳ぎは、伏し浮き姿勢を基本姿勢にした泳ぎになっている。
1990年代までの旧式平泳ぎが、吊り上げ式モーターボートイメージ泳法であったものが、 21世紀版の新型平泳ぎでは、伏し浮き姿勢を応用してフラットに泳ぐようになったのだ。
『旧型の平泳ぎでは、モーターボートをイメージして、腰を反り上げて泳ぐ』ため、どうしても腰が水面下に落ち込んでしまい、 さらにそれをカバーするために、キックを斜め下に蹴り下ろしてお尻を引き上げていたが、この方式では水流を大きく乱す事は避けられなかった。
この動作支点の違いを体内の感覚から捉えると、下図のようになる。
このストローク方式の差は、単なる『抵抗の差』を生むだけではない。 『旧式で発生していた腰の上下動が、新型では腰の前方スライド移動に使われている』という『推進ベクトルの向きの違い』をも生む。
ここで、上下動の話がどうしても理解できない人たちがいると思う。 『呼吸動作で上体を高く起こし、その位置エネルギーを利用して前方に突っ込んで推進力を得る』 と、まことしやかに語られていた1990年代の理論が頭をよぎり、 『フラットに泳ぐなんて、古臭い泳ぎだろ?波のようにウェーブしながら進む方が速いんだぞ!』 といった具合に、納得できない人たちだ。
次項では、「位置エネルギー利用理論」が物理法則を無視した嘘理論であり、フラットに泳ぐ理論がどのように優れているのかについて述べる。
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