キャッチング (1)

〜 キャッチは小指から 〜

 

2008.05.01
修正 : 2011.04.10

  

 

■ 常識は真逆に変わってしまった

親指を下にしてキャッチする時代は、もう終わった。

 

現在のキャッチは、小指がやや下〜ほぼ水平だ。

 

マイケル・フェルプス選手の左手。



※ 備 ※
ただし、フェルプス選手の左手は、この後、若干のS字ストロークに入ります。

『左手のS字ストロークが悪いから、右手と同じストレートストロークに変えれば、フェルプスはもっと速くなる』と、彼のコーチであるボブ・ボウマンさんは、2008年にテレビで言ってました。
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フェルプス選手の右手。



 

ついでに細かい事を言えば、

『人差し指』と『中指』に力が入ってくっつき『薬指』と『小指』の力が抜けていて離れる時代も終わり

『小指』と『薬指』に力が入ってくっついていて、『人差し指』と『中指』の力が抜けて離れている

 

常識は、昔と今で、真逆に変わった。

 

結果論ではあるのだが、キャッチで泡を上に逃がす方向へ手が開いていくから、泡切れが良いという利点もある。

 

 

■ 肩甲骨の使い方が真逆に変わった

この違いは、肩甲骨の使い方の違いから来ている。

つまり、『指の向きだけ』をマネても、ぜんぜん意味がない。

 

 

昔のストリームライン姿勢は、肩甲骨を寄せ、腕を内転させていたから、親指が下になっていたが、

現在のストリームライン姿勢は、肩甲骨を開き、腕は水平〜やや外転させ気味だから、小指が下になる。

 

『肩甲骨を寄せて絞る昔』と、『肩甲骨を開く今』で腕の捻じる方向が逆だから、力の入る指も逆になるし、指の向きも逆になる。

※ 備 ※
『肩甲骨を開く』とは、ちょっと腕が疲れてきた『前にならえ!』の状態。『前にならえ!』の姿勢から体を前に倒していくと、現在のストリームライン姿勢におおよそなるし、小指も下に来る。

あるいは、セミのマネして、電柱にしがみ付く感じも近い。電柱に腕や足を回して抱きつくのではなく、両手で電柱を挟み込んでブラ下がる感じ。
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腕を頭の後ろで背中側に絞り込んでエビ反っていたとは違い、

現在は、より自然な姿勢からストロークを行うため、両腕で両耳を挟むような感じでストリームライン姿勢に入る。

 

 

 

外見から言えば、

昔は、腰を反って胸を突き出し、お腹をまっすぐにしようとしていた』が、

今は、お腹を押し込み背中をまっすぐにした姿勢』を作って泳いでいる。

 

肩甲骨の使い方が逆だから、ストリームライン姿勢も逆になる。