クイックターン (1)

〜 2種類のクイックターン 〜

2010.12.01

  

 

初心者が使う『遅いクイックターン』で、一般に気付かれていないテクニックがある。

 

私は、典型的な『平泳ぎonly選手』であるため、クイックターンも非常に下手で遅かった。

しかも、自分のクイックターンが遅い事に、つい最近になって気付いたほどの不器用人間だ。

 

であるが故に、不器用であるが故に、クイックターンに使われているテクニックが2種類存在している事に気付いた。

クイックターンで『引き離す選手』と、『引き離される初心者』では、使っているテクニックが、明らかに違っている事に気付いた。

そして、自分も出来るようになった。

 

 

■ 2種類あるクイックターン

ここの説明で使う『右』『左』とは、下図のように『プールを上から見たときの右、左』、

あるいは、プールの底側にある腕が右腕なのか、左腕なのかを言っている事に注意して見るようにしてもらいたいが、

自分のクイックターンが、『遅いターン』だった場合には、ここから書かれている情報は、世間一般では、誰も指摘していないテクニック解説であり、

ターンの遅い人や、あるいは指導者にとっては、貴重な情報/視点になるはずだ。

 

プールを真上から見た図

 

ターンの遅い選手は、『右肩を落としながらターンの回転動作に入っていく場合』、壁に足が着いた時に、

『体が、右のコースロープ側 (右腕が下)』

を向いている。(便宜的に、『右右 ターン』と呼ぶ事にする)

 

 

ターンが速い選手は、同じように『右肩を落としながらターンの回転動作』に入っていっても、壁に足が着いた時には、

『体が、左のコースロープ側 (左腕が下)』

を向いている。(便宜的に、『右左クロス ターン』と呼ぶ事にする)

 

つまり、『速い選手』と『遅い選手』では、『体の回転のさせ方』が違っている。

 

 

安易な捉え方では、『体の回転方向が逆なんだろう』と思うかもしれないが、

実際の回転動作感覚は、『逆』といったような『真逆の感覚』ではなく、『体の回転のさせ方が違う』程度の感覚差だ。

 

その程度の感覚差とはいえ、

『なんだ、壁に着いた時に、体の向きが今までと反対になれば、それで良いんだ!』

という安易なものではなく、

単に『右左クロス ターンになるように壁に足を着く』だけでは、

『回った後に壁をうまく蹴り出していけないし、浮き上がりも変』

で、クイックターンは速くならない。

 

『回転のさせ方が違う』ため、『回転のさせ方をマネ』しなければ、速い回転はできない。

『体の向きだけをマネ』しても、ターンのたびに離されてしまう状況は変わらない。

 

実際、私の場合、遅いターンでありながらも『体の向きだけ(足の着く向きだけ)』を真似していた時には、

『練習中には出来るのに、レースやダッシュ練習といったトップスピードを出してターンに入ると、頭では分かっているのに、今までと同じ右右ターンになってしまう』

という事態に陥っていた。

 

『回転の動作感覚』が『右左クロス ターン』になるように訓練しなければ、クイックターンは遅いままだ。